
執筆者
S.M.
経緯

今回は私が長期休暇中に作った自作キーボード「KeyBall39」のお話をしたいと思います。
まず私は、
「HHKB Professional HYBRID Type-S 英語配列」を使っていました。これは私がエンジニアを目指すため、プログラミングスクール入学時に購入したものとなります。コンパクトさやデザイン、打鍵感は他のキーボードを使うことをストレスに感じる程にとても気に入っていました。ただ、QWERTY配列って右手の小指が忙しすぎませんか?ことプログラミングにおいては角カッコや波カッコ、スラッシュ、バックスラッシュなどの記号もふんだんに使用するため、(経験はないですが)牛丼チェーンのワンオペぐらいの忙しさがありそうです。また、マウスを使うときにいちいちホームポジションから手を移動させることも億劫に感じていました。
そしてお休みの初日、
私は気づきました。職場にいつものHHKBのキーボードを置いてきてしまったことに。これでは帰省中に快適にカタカタできません。ちょうど良い機会と思い、新人がアサインされる弊社初のハードウェア開発PJをちょっとでも手伝えるようにはんだ付けの練習をしておこうという言い訳もあり、「KeyBall39」の自作セットを購入しました。
「KeyBall39」について

「KeyBall39」は、
トラックボールが一体となった左右分離型のキーボードでその名の通りキー数が39キーのキーボードです。トラックボールが一体となっているため、ホームポジションからあまり動かずにポインター操作ができます。また、一般的なキーボードで見られるような横にズレるロウスタッガードではなく縦にズレるカラムスタッガードで指の動きに即した配列となっており、加えてキーマップも自由に設定できるとのこと。これで右手小指を相当の疲労から救うことができるに違いありません。早速作っていきましょう。
・トラックボール一体型
ホームポジションからあまり動かずにポインター操作が可能
・左右分離型
39キーのコンパクトな設計で自由な配置が可能
・カラムスタッガード
指の動きに即した縦にズレる配列で快適な入力
・カスタマイズ可能
キーマップを自由に設定できる柔軟性
「KeyBall39」を組み立てる

いざ「KeyBall39」組み立て
ですがその前に「KeyBall39」の標準キットのみでは部品が足りないため、マイコンやキースイッチなどの部品を購入する必要があります。自作キーボード初心者の私ではどれを選べば良いか分かりませんでしたが、そんなこともあろうかとキーボードショップの実店舗へ行きスタッフさんに言われるがまま部品を購入していきました。一応キーキャップとキースイッチはこちらの要望を伝え、親指のキーはクリッキーなロープロファイル(カチカチ鳴る背の低いキー)でそれ以外のキーは今使っているHHKBの打鍵感に近いものを選定しました。
➤「KeyBall39」の組み立てはgithubにビルドガイドがあるのでそちらを参考に作っていきます。
細かい作業内容は、
ビルドガイドを参照いただくとして、まずダイオードの半田付けを行いました。ダイオードは極性がありシルクによる表示があるのですが、ダイオードの小ささも相まってめちゃくちゃ視認しづらかったです。おかげで一つ反対につけてしまい、「うまく動作しないな…何でだろう…」と後続の作業をやり直したり、「もしかして部品を壊してしまったのではないか」と不安になったりなど余計な時間をとってしまいました。
1・ダイオードの半田付け
極性に注意しながら小さなダイオードを慎重に取り付け
2・キースイッチ用ソケット
部品が大きく比較的作業しやすい工程
3・ジャンパ・ピン・スイッチ
各種部品の半田付けを順次進める
4・マイコンとファームウェア
マイコンを取り付けてファームウェアを書き込み
5・動作確認
PCに繋いで文字入力をテスト
6・トラックボール基板
最後の半田付け作業を完了
ダイオードをつけ終えたら今度は、
キースイッチ用ソケットの半田付けです。キースイッチ用のソケット自体は部品が大きくそこまで苦戦せずに済みました。そんな調子でジャンパやピン、スイッチなどの半田付けを進めていきます。
マイコンの半田付けを終えたら、
ファームウェアの書き込みを行い、PCに繋いで動作確認を行います。メモ帳に文字の羅列が入力されていくのを見た時はキーボードを組み立てているという実感が湧き、延々と半田付けしていた疲れもあり、そのまま5分ほど遊んでいました。その後、長く続いたはんだ付けの最後の作業として、トラックボールの基板の半田付けを行いました。
ここからキーボードフレームの組み立て
スペーサーやアクリル板のねじ止めをし、キースイッチをフレームにパチパチと嵌めていきます。多少力が必要でしたがプチプチを潰すみたいでなかなか楽しかったです。その後、3段のフレームを組んでトラックボール基板とボールケースの取り付けを行いました。この際、ボールケースを取り付けるための小さいネジを紛失するというやらかしが発生し、購入店舗に相談して近隣の電子工具屋さんでネジを購入したもののネジ皿の径が小さくワッシャーをネットで購入するハメになるのですが、そんな話は置いといて。そうやって何やかんやでMy New Gearの「Keyball39」が完成しました。
振返り

今回、初めて自作キーボードを作ってみて感じたことは、明らかに半田付け上手くなったことです。39キーと一般的なキーボードに比べて非常にコンパクトなキーボードですが、それでもダイオード45個×2箇所、ソケット44個×2箇所、ジャンパ14箇所、マイコン2個×24ピン、OLED2個×4ピン、トラックボール23ピン、その他ピン系20ピンの合計291回ハンダ付けしていたらしいです、今数えて驚いています。日頃から電子工作をやっていない人がこれだけハンダ付けしたら上手くなるのも当然ではないでしょうか。加えて、プリント基盤へのハンダ付けなどのコツもビルドガイドに載っていて、とても身になったと感じています。これで新PJへの準備はバッチリですね。
291
合計半田付け回数
ダイオード、ソケット、ピンなど全ての部品
39
キー数
コンパクトな設計
2
マイコン
各24ピン
さて、肝心の「Keyball39」自体を使ってみた感想ですが…、これはまだなんとも言えません。作ってからもう暫く経つのですが、キーマップも定まっておらず真価を発揮していないと考えているため、現状では評価を下すことができません。しかし、トラックボールとキーボードが一体となっていることには私の望んだことが実現できる可能性は感じます。
時間が経過しておきながらキーマップも定まっていないのはひとえに使い慣れた他のキーボードに逃げているからだと思います。無理矢理にでも使ってキーマップのブラッシュアップをするべきでしょうか…。
まあ、そんなに急ぐようなことでもないと思うので気長に付き合っていきたいと思います。もし私が職場でよくわからないキーボードを使い始めたら「あ、ようやくキーマップ決まったんだな」と生暖かい目で見ていただけると幸いです。













